占い本の99.9%はバーナム効果で成り立っている

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皆さんは「バーナム効果」という言葉を知っていますか?

それは非常に巧みで、私たちを気づかないうちに虜にする言葉のことです。

今回はそんなバーナム効果について詳しく書きながら、
一時期流行った血液型占いとの関連性などについても触れていきたいと思います。

 

 

1. バーナム効果とは

「あなた、普段から人前では明るく振舞っているけれど、
本当は人一倍繊細で、今も悩みを抱えているのでしょう?」

こんなふうに言われると、
「どうしてそんなに私のこと、知っているの?」と驚く人は沢山いますが、
実はこれ、単に心理学を応用したものなんです。

誰にでも当てはまる性格の特性(大雑把、綺麗好き、マイペースなど)を、
占いや性格診断の結果として提示することで、
あたかも自分のことのように錯覚させる。

これが俗にいう
「バーナム効果(別名:フォアラー効果)」の正体です。

アメリカの興行師、フィニアス・テイラー・バーナムが述べた
「誰にでも当てはまる要点というものがある」という言葉にちなんで、
同じくアメリカの心理学者ポール・ミールがそう名づけました。

バーナム効果の活用について、例え話をしましょう。

今、わたしはこうして日々記事を書いているわけですが、
文章の中にバーナム効果を取り入れることで、
多くの人がわたしの文章を信用してくれるようになるのです。

その活用法というのはこうです。

長い文章を書いた後で、最後のほうにこう書きます。

「ここまで読まれているあなたは、
とても真面目な方なのでしょう」と。

当然のことですが、最後まで読む人というのは、
この文章をいい加減な気持ちでは読んでいないでしょうし、
そもそもほとんどの人は本気で取り組むことに関しては真面目なはずです。

ただ、それはきっと無意識でしょうから、
こういう一文を見るとまるで自分に
わたしが語り掛けてくるような気持ちになるのです。

その結果、「この文章はわたしのためにあるんだ」と
錯覚するというわけです。

他にもこんな使い方があります。

「あなたは現状に満足していませんね?」と語り掛けると、
ほぼ100%と言っていいほど、バーナム効果を発揮します。

「どうしてわかるの?」
「この人(この文章)はわたしのことを分かってくれているんだ」と共感し、
文章に対する信頼度が高まります。

そう感じるのはなぜか?
その理由はとても単純で明快なものです。

この世界で自分が置かれている状況、
環境に満足している人は一体どれくらいいるでしょうか?

現状に満足していれば、そもそも占いの記事なんて読まないでしょうし、
好奇心や向上心などあるはずがありません。

現状に満足していないから、
人は新しく何かを始めたり、求めたりするのです。

それと同じで、占い師に性格などを言い当てられると、
多くの人は「当たってる! すごい、この人。

この人の言うことは本当だ」と、
その占い師の言葉を信じるようになります。

実はプラシーボ効果というのは、
占い師が使う職業テクニックのようなものなのです。

占いを信じてもらうには、まず相手に自分の言っていることは、
間違いないのだと信用してもらう必要があります。

そのためには先手でバーナム効果を狙っていくのが一番の方法なのです。

 

 

 

2. 「誰にでも当てはまってしまう言葉」まとめ

バーナム効果のある言葉を知っておくことは、
自分の印象を高めたり、事を有利に運んだりするための方法として非常に有効なため、
「ためになる知識」としてはかなり良いです。

逆に、相手の手八丁口八丁にのせられないために
知っておくだけでも役立つと思います。

~誰にでも当てはまる言葉・診断結果の例~

――あなたは他人から好かれたい、評価してもらいたいと思っていますね――

他人から嫌われたいと思う人はいないでしょう。
そしてわたしたちは他人から評価を得ることで
社会という枠組みの中に居続けることができるのです。
日常生活や仕事でも、自身の働きに対する正当な評価と、
報酬を求めるのは当然の感情です。
ですから誰にでも当てはまりますよね。
――あなたは自分を否定、批判していますね――

わたしたちは必ずと言っていいほど、
性格や身体的特徴の一部にコンプレックスや嫌悪感を抱いているものです。
それらと正面から向き合い、認めるには大変な苦痛と時間を伴います。
同時にこれらの苦痛は誰かに知ってもらいたいと思うものです。

――あなたは時々孤独感に苛まれることがありますね?――

どれだけ話が合う相手だとしても趣味趣向が全て一緒とは限りません。
親しい間柄であればあるほど、その相手の意外な趣味や好みを知ったときには戸惑い、
どうやって向き合えばいいのか分からなくなります。
他の人と自分の分からない話をしていても孤独感は感じます。
それは確かに「時々」、起こるものです。

――あなたは、本当はとても優しい人ですが、誤解されていると感じることも多いでしょう――

「優しい」という言葉にはとてもあいまいな部分があります。
それは判断基準が明確にされていないという点です。
人によって他人に求める優しさも違うでしょう。
そういう意味では誰もが「優しさ」というものを持っています。
そして「誤解」という言葉ですが、わたしたちは社会の中、
集団の中で周囲の望む「キャラクター」を押し付けられて生きています。
例えるならボケ担当、ツッコミ担当といったところでしょうか。
自分の望む立ち位置を獲得できるのは、限られた人たちなのです。

――他人のために自分の利益を我慢する時がありますね?――

それはそうでしょう。我慢できない人は単なる自己中です。
当たり前すぎますが、悩んでいる人は、
当たり前のことですら分かっていない状態なので、バーナム効果があるというわけです。

――失敗を糧に成長できる能力が人より優れています――

人間という生き物が長い年月をかけてここまで進化し、
文明を発達させることができたのは頭が良い、だけではありません。
失敗から学ぶ「学習能力」が他の生物よりもはるかに優れているからです。
その部分は今も変わらず、わたしたちに受け継がれています。
ですから失敗を糧に成長できる能力は誰にでもあるものなのです。
ですが人は優劣を決めたがる生き物でもありますから、
「人よりも優れている」という言葉は大変嬉しいものなのです。
加えて占い相談を受ける人は不幸な境遇にいることが多いですから、
「不幸」=「失敗」というアドバンテージを得たかのような錯覚に陥り、
自分は今成長している最中なのだと単純になってしまうものなのです。

――「人からどう思われるか」を気にしすぎる傾向がありますよ――

先ほども言いましたが、わたしたちは他人の評価無しでは、
この社会で生きていくことができないのです。
それを無意識にでも感じているかぎり、
この言葉はバーナム効果を持ち続けるでしょう。

――あなたは絶対に「悪人」にはなれない。生まれつき優しいからです――

理由なんて関係なく、悪人に進んでなろうと思う人はいないですよね。
それに優しさは誰しもが持っているものです。

――あなたは「今のままでいいのか」と焦りを感じることがあるんじゃないですか?――

現状に満足しない人がいると言うことは、
現状を変えたいと思っている人がいると言うことです。
人には寿命という時間の限度があるのですから、焦るのも当然でしょう。

様々な言葉を紹介しましたが、
これらの言葉はある一定の条件下で大きなバーナム効果を発揮すると言われています。

①精神的に弱っているとき
②診断される側が、診断者の権威を信じているとき
③診断結果が各人向けに書かれていて、自分だけに当てはまるように感じるとき

信頼している人に言われることというのは、
「たしかに、そういうことあるかもしれない……」と思ってしまう。

手相を見られながらそういわれると、
根拠があるように感じてしまう。

弱っているときは、
褒められた内容を信じたくなる、と言うことです。

バーナム効果がうまくいった場合、
相手は具体性のない推測に対して、びっくりしたり驚いたりすることで、
思わず聞いてもいないことをうっかりしゃべってしまいます。

それはリーディングを行う者にとっては次の推測の手がかりになるのです。

その結果、さらに質問することができ、あなたはさらに驚き、
相手があたかも自分のことをよく知っている、
理解しているかのように感じてしまう、と言うわけです。

ハメられると危険ですが、リーディング側に回ることができるなら、
バーナム効果はかなり有効活用ができます。

営業のテクニック、相手を口説くテクニック、
友達の悩みを聞き出すために使えるでしょう。

 

 

 

3. 占い本の99.9%はバーナム効果で成り立っている

世の中の女性は占いというジャンルが大好きです。

血液型占いが流行った当初はよく人に
「血液型は何型ですか?」と聞いている方を見かけたものです。

女性同士ならともかく、男性の方々はそういうことを聞かれると
「血液型も個人情報なんだけど」と思ったに違いありません。

今だからいえることですが血液型占いにはこれといって根拠が無く、
無意味な占いであったことが判明しています。

なぜなら診断結果がかなり曖昧で、
だれにでも当てはまりそうなものばかりだったからです。

世の中に存在する占い本のほとんどは
バーナム効果を盛り込むことで成り立っています。

こんな実験があります。

大勢の人を対象に、「全く同じ質問を書いた紙」を作り、
これに対して回答させるというものです。

すると大多数の人は「自分に当てはまっている」と答えました。

質問の内容はこのようなものです。

・「あなたは心のどこかで自分に自信を持てずにいますが、それでも周りに認めてもらいたいと強く思っています」
→よほどの自信家でないか、自己中心的な方でない限りあてはまります。

・「さらに、そんなじぶんに対して不安になり、悩むことがありますね」
→「不安」や「悩み」のない人はいないと思います。

・「そんな自分を変えたいと思っている」
→解決できるなら解決したいと思うのは当然でしょう。

「大丈夫です。あなたには眠っている才能があり、それを生かし切れていないだけです」
→誰もがそうであってほしいと心のどこかで願っているはずです

前の章で紹介したバーナム効果を持つ言葉もそうでしたが、
冷静になって考えてみるとツッコミどころ満載ですよね。

こういうことを踏まえてよくよく考えてみると、
世の中に出回っている占いの本は99.9%が
バーナム効果で成り立っていることが分かります(占いの知識に関する本は除きます)。

ですが世の女性の多くはそういう本を「スゴイ! 当たってる!」と、
天啓を聞いているかのようにありがたく思い、信じてしまうのです。

以前、「AB型の教科書」のような血液型診断の本が、
ベストセラーになったことがありました。

書いてある内容がよく当たると評判だったことが、
ベストセラーとなった理由のようです。

ですが、バーナム効果を取り入れた内容であるならば、
内容は同じまま、「O型の教科書」と表紙を変えたとしても、
恐らく「よく当たる」と評判になったと思います。

バーナム効果を利用することで人を信じさせるのは、
あなたが想像するよりもはるかに簡単なことなのです。

ですがビジネスという点では、
血液型占い系の本は成功していると思います。

商品を売るとき、キャッチコピーにも
バーナム効果は活かすことができるのです。

例えば、「対策をしても治らない薄毛に悩み続けているそこのあなた」という
キャッチコピーがあったとします。

私のキャッチコピーのセンスのなさは、
この際目をつぶって欲しいと思います。

上記のキャッチコピーがバーナム効果を発揮する理由は
「対策をしても治らない」というフレーズがあるからです。

対策と言っても「シャンプーの中身を変えた」、
「薄毛専用の医薬品を使用してみた」、「桂の購入を検討中」、
「増毛サービスに申し込んでみた」などと、
やっていることは人によって様々です。

ですが対策を取っている以上、
そういう人には先ほどのキャッチコピーは非常に効果的です。

それは何故か?
「対策」という曖昧な言葉を使っているため、
薄毛に悩む人の殆どが「自分のことだ」と思うようになるからです。

ダイエット関係ですと、
「長い間、ダイエットで悩み続けているそこのあなた!」という
宣伝文句は常套手段だといえるでしょう。

なぜなら「長い間」という時間の尺度は人によって全く異なるからです。

「長い間、ダイエットを頑張った」と言っても、
怠惰な人にとってのそれはきっと一週間足らず、
ひどい場合には三日坊主ですら「長い」と言いかねません。

年単位か、月単位かは人それぞれです。

バーナム効果は曖昧さが増せば増すほど、
その効果は大きなものになってきます。

うまく使えばビジネスに、悪く使えば
詐欺に発展しかねないのがバーナム効果というものなのです。

 

 

 

4. バーナム効果と血液型占い

こういうことを聞いたことはありませんか?

血液型によって性格が分かるという話を。

例えば、
A型→真面目、誠実、気配り上手、責任感が強い、神経質、周囲を気にする、頑固
B型→好奇心旺盛、独創的、社交的、好き嫌いをする、衝動的、良くも悪くもマイペース
O型→行動力がある、素っ気ない、大らか、大雑把、自信家、適応力がある
AB型→感受性が強い、クールで知的、独創的、めんどくさがり屋、打算的

このような血液型と性格の関連性がささやかれたのは、
1970年代から2000年代前半にかけて流行した「血液型占い」が、
主な原因だと言われています。

血液型占いとは個人の性格や気質、
相性を血液型から判断する占い方法を言います。

日本や一部のアジア諸国で用いられていますが、
そのほかの地域では普及していません。

その理由は科学的根拠が無いのはもちろん、
占術関係者の中では血液型占いは「占術ではない」と公言されており、
迷信の一種であるとされているからです。

というのも、血液型には占星術や四柱推命といった占いと違って、
その占い方が定まっていないのです。

血液型占いは主に民法放送の番組で、
大きく取り上げられたのがきっかけで大きく広まりました。

そしてニュース番組など、情報を取り扱うため毎日放送されてた番では
今のような星座占いではなく、血液型占いが採用されていました。

ですが、その診断結果の殆どは番組スタッフが
独自の判断で創作していたに過ぎず、
何が理由で運勢に影響を及ぼすのか説明すらされないのが普通だったのです。

BPO(放送倫理・番組向上機構)が2004年、
「血液型によって人格が決まるという見方を、
助長するのは好ましくない」として各放送局に呼びかけた結果、
テレビでは血液型占いを取り上げることは一切なくなりました。

ですが未だに血液型と性格の関連性を信じている人は少なくなく、
そういった考え方は今現在もちらほら見かけることができます。

最近では血液型占いの相性をもとに相手を不快な思いにさせる言動、
ブラッド(血という意味の英語)・ハラスメント:通称ブラハラが、
社会的に問題視されているようです。

血液型占いが流行したのは、
さきほども書きましたが日本と一部のアジア諸国だけです。

これらの地域では血液型占いに関する商品の売り上げが、
経済に多少ながらも潤いを与えたという事実もあり、
その流行ぶりは目を見張るものがありました。

しかし海外では普及せず、
日本生まれの血液型占いは奇妙なものとして捉えられています。

それでも血液型占いが当たっていると思う人がいるのは、
ひとえにバーナム効果のたまものでしょう。

血液型占いの診断結果はどれも、
「あ~、そうかもしれない」と思ってしまいそうな曖昧なものばかりでした。

しかし、バーナム効果が絡んでいるとすれば、
血液型占いが爆発的に流行り、関連商品が
飛ぶように売れたのも納得できる話だとは思いませんか?

前の章で私が書いたことを覚えていた人は、
途中で気づいたかと思われます。

バーナム効果はビジネスにうまく取り入れることができたなら、
爆発的な効果を発揮してくれますから、
血液型占いとの相性は抜群だったというわけです。

 

 

 

5. 勘違いしてはいけないバーナム効果

結局、血液型占いはバーナム効果を応用した
インチキ占いであるということが分かっていただけたかと思います。

ですがそのせいで、他の占いまでも
バーナム効果を取り入れたインチキであるという風には思わないで欲しいのです。

確かにバーナム効果は疑り深い人を信じさせるために、
占いの最初の方で使う占い師は少なくありません。

ですがそれは決して、相談者を騙そうと思って、
使っているわけではないのです。

あくまでも素直に占いの結果を受け止めてもらうために、
バーナム効果を取り入れているにすぎません。

ですが、占い否定派には「バーナム効果を使っているから、
占いというものは信用できない」という見解をしている方が非常に多いです。

ですがバーナム効果は心理学の一つであり、
人の意識をある一点に集中させるには非常に効果的なのです。

「人に話を聞いてもらうには、それ相応の話術が必要となる」というのは、
当たり前のことではないでしょうか?

人を夢中にさせない話し方をしないで、
いったい誰が話を聞いてくれるのでしょうか。

それは日常生活でも同じことが言えます。

つまらない話し方をされては、
せっかくの面白い内容も耳に入ってきませんよね。

それは、相手が友人であっても変わらないのではないでしょうか?

話を聞いているふりをしてるだけ、違いますか?

ビジネスは関係なく、
人を夢中にさせる話し方というのは身につける必要がある、
いわば世渡りのための必須技術なのです。

 

 

 

6. まとめ

今回、わたしはバーナム効果について書きましたが、
だからといってそれが占いを否定することにはならないと考えています。

むしろ話を聞いてもらううえで、
必要な技術であるとさえ思っているのです。

途中、何度も書いたようにバーナム効果は様々なことに応用できます。

その可能性と危険性を、
わたしは皆さんに知って欲しかったのです。

正しい知識を身につけ、
上手に活用して欲しいと切に願っています。

 

 

 


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