すべての始まりは易学から来ていた

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皆さんは易占い、というものを御存じでしょうか。

哲学書としても読まれ続ける、
大昔の人たちの叡智を結集した書物「易経」を基に、
人の世を正すために考案された占いこそ易占いなのです。

 

目次

  1. 易占いの始まり
  2. 周易
  3. 易占いの方法
  4. 易学が当たる理由とユングとの関係性
  5. サイコロ以外でも占えることを知っていましたか?
  6. まとめ

 

 

1.易占いの始まり

易占いのベースとなっているのは、
易経(えききょう)と言って世界でもっと古い本の1つで、
古代中国で作成された歴史ある占いの書物から来ています。

中国語読みにすると易経は「イー・チン」と言います。

紀元前1000年頃に占いの解釈の文章はまとめられていたそうです。

実は紀元前1000年よりもっと前からあると言われています。

易占いの始まりは多くの伝説として色々な説があります。

例えば、神話の中では中国の皇帝が亀の甲羅に記号を見つけたことから始まった
言い伝えや女性占い師達が生きた亀の甲羅で占った結果、
周の皇后にまで出世したとの言い伝えがあります。

占いとして易の歴史は、
殷の時代(前1700年〜前1122年)には、亀の甲を灼いて、
そのひびの割れの形で吉凶を占っている「ト占」というものがありますが、
「ト」という字は亀の甲のひび割れた形をあらわす象形文字のことを言います。

殷の宮であった河南省安陽県から発掘された、
おびただしい亀甲がそのことを証明しています。

その甲羅のひび割れの形で吉凶を占ったものが、
占い自体の始まりではないかとされています。

易占いの歴史は古く中国の占いには、
中国4000年の歴史があるわけです。

当時の記録では、
周易よりも前に連山易(れんざんえき)帰蔵易(きぞうえき)という
2つの易が存在したと言われていますが、
文献も残っていないためただの伝説や言い伝えとしています。

1

様々な説がありますが、
因みにどうして「易」という漢字が使われているのかも、様々な説があり、
正確なことは分かっていません。

易という漢字には「変化」と言う意味があるため、
占いのように人の生の変化を捉えようとするものの基となった書物だけに、
この漢字が使われたという説があります。
引用先:http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/s106/image/1/s106s0003.html

他にも易という字が変化の意味を持つのは、
トカゲを由来としているという〈トカゲ説〉も存在するそうです。

トカゲは環境によって自らの肌の色を「変化」させる性質があるため、
この説が生まれたと言います。

「経」という字には元々、織物の縦糸の意味があり、
そこから「すじみち」「道」の意味になります。

易経とは太古より築かれてきた占いの知恵を体系・組織化したもので、
物事の筋道、人の生きる道、人生から宇宙まで森羅万象を予言するための占いの書で、
その内容は横棒を6本連ねた奇妙な記号と、
それに添えられた謎めいた言葉で構成された解読が困難なものです。

ただし、中国では文字文化が発展する前から、歴代の支配者も、
一般の人々も、同じように易占いを活用していたとされます。

その難解な書物を紐解くために、
多くの歴史学者たちがその人生を捧げました。

結果として分かったのは神秘的なことがかかれている一方で、
哲学・倫理を説く統計学の書物としての価値もあります。

そのため今も多くの人に受け入れられています。

日本では易経を読む会や易経の哲学や
理論を取り入れた経営セミナーなどが開かれています。

ですが易経には未だきちんとした解釈のなされていない部分もあり、
まだまだ解読されていない部分も多いのです。

そんな正解の見えない易経の解読、
そこから生まれた「易学」は多くの学者たちから尊ばれています。

 

 

 

2.周易

易占いは歴代の中国皇帝たちが用いてきた道具であり、
易占いには幾つもの種類がありますが、
一般的に知られているのは「周易」と呼ばれる易占いでしょう。

中国という国家になる以前のはるか昔、
紀元前1046年から紀元前256年にかけて栄えた王朝の名前を「周」と言い、
その時に生まれた易占いなので周易という名がつきました。

周易よりも比較的新しいものに「断易」という占いがありますが、
両者の関係性はなく、占いの手法や思想などは全く異なるものです。

現代において占いというものは人々の人生を予測するための技法として、
とても身近な存在のように認識されていますが、
大昔の占いというものは今よりも崇高なもので、
一般人とは縁も所縁もないようなものでした。

国の行く先や国内の政治と深く関わりを持っていたものこそ、
占いの本来の形だったのです。

存亡をかけた重要なものだったため、
占い師は今以上に細心の注意を払って占っていました。

その予想が外れたときは最悪の場合処刑されることもあったので、
責任を問われる大変重大な役割だったようです。

易占いはその名残があるためなのか、
単に吉凶を占うだけの単純なものではありません。

この占いの本質は未来の良し悪しではなく、
「今は悪くとも、こうすれば時間の経過と共に良くなっていく」という、
変化に対してどう適応するか、そういった類の
哲学的なアドバイスを指し示してくれるものです。

このような、易占いの基礎でもある物事は、
常に変化しているという考え方のことを、
万物流転の法則と言います。

この法則は「誰も同じ川には二度と入ることが出来ない」という名言を残した
ヘラクレイトスという哲学者が提唱した概念で、
例え同じ物や人でも早くて数秒後には何かしらの変化が生じているため、
同じ価値・同一のものでは無くなる、ということです。

永遠に変化の生じない事象や物というものは存在しません。

それと同じでどんなに悪いことも永遠には続かず、
逆もまた同じことが言えます。

変化し続ける人の世の中で掴むことができる「何か」こそ、
真に有意義なものなのだという思想が易占いには込められているのです。

易占いの基本思想は、
「偶然の中に必然を見つける」と言うものです。

占いの結果を卦(か)と言いますが、
その結果を導き出すために使われるのは、
サイコロなどの目に数字が入ったものばかり。

そういった道具が出す数字というのは偶然なのですが、
その偶然から未来を予言するというのが易占いなのです。

 

 

3.易占いの方法

易占いでは細長い棒、筮竹(ぜいちく)を使った方法が主流でした。

しかし、昔に比べて筮竹の入手が難しくなってきたことが理由で、
その主流は比較的入手しやすいサイコロへと移りつつあります。

また、サイコロだと筮竹を使った時よりも占いにかかる時間が短縮できるので、
その分集中力が増すという点と邪念が入りにくいという点、
最近では好んで使われる傾向にあります。

サイコロは
乾(けん)、兌(だ)、離(り)、震(しん)、
巽(そん)、坎(かん)、艮(ごん)、坤(こん)の八文字
(これを『八卦:はっか』という)が、
それぞれの面に一文字ずつ刻まれた八面体のものを二つ(白と黒で一つずつ)、
そして私たちがよく見る数字が書かれた普通の六面体のものを使います。

3つのサイコロを同時に振り、
出た目の組み合わせで占いの結果が分かるのです。
簡単にやり方を紹介します。

1.サイコロ3個(色違いの八面体1個ずつ計2個+六面体サイコロ1個)を用意する。

2個の八面体サイコロのうち、どちらが上でどちらが下なのか決めて覚えておく。

例えば、緑が上でピンクが下など。

2.質問をまとめる。

3.質問をイメージしながらサイコロを転がす。

4.大成卦(たいせいか)と之卦(いくか)を出す。(出し方は、下※で説明しています。)

読む※2。(別の記事参照。64卦、384爻など、初めは参考書を使って。慣れてきたら参考書にとらわれ過ぎずにインスピレーションを使って読んでみて下さい。)

引用先: http://o-kinsei.com/2015/03/14/%E6%98%93%E5%8D%A0%E3%81%84%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95%EF%BC%88%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%AD3%E5%80%8B%E6%B3%95%EF%BC%89%E3%81%A8%E8%AA%AD%E3%81%BF%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC/

サイコロは安価な樹脂製ものや、柘植と呼ばれる木から作ったもの、
象の牙から作った高価なものと、幾つか種類があります。

現状、天然素材のものは人気が高いようです。

ですが、どれを使っても効果的には何の差も無く、
重要なのは質よりも自分の手に合ったものを見つけることです。

高い物、質のいいものだから愛着が湧くのではない、ということです。

余談ですが東京にはオーダーメイドで、
象牙のサイコロを作ってくれる専門店があるみたいです。

サイコロは形の小さな差で転がり方も変わってくるので、
自分だけのサイコロを作ってみるのもいいかもしれません。

サイコロは1cm弱の大きさだと財布に入れても、持ち運べます。

外出先で困ったら易占い、という方もいらっしゃるようです。

 

 

 

 

4.易学が当たる理由とユングとの関係性

偶然と未来、その2つには、
何ら関係性が無いように感じることでしょう。

ですが当事者によってはその両者の関係は皆無、とは断言できない、
不思議な「巡り合わせ」というものが、この世の中には存在するのです。

これについてある心理学者が、
一つの概念を提唱しました。

その人物の名はカール・グスタフ・ユング、スイスの精神科医であり、
心理学者でもあった世界的に有名な人物です。

ユングは一見、全く別々に起こったように見える出来事が、
当事者にとっては繋がりを感じてしまうような、
そんな不思議な巡り合わせのことを「布置(ふち)」と定めました。

しかし、二つの出来事を結果と原因として置き換えた場合でも、
それらの繋がりを説明するのは不可能に近いものです。

とはいえ、単なる偶然と考えるにはあまりにも確率の低い出来事を、
ユングは「共時性(きょうじせい)」という言葉を使って説明しました。

共時性を理解するには、
一つの例を挙げてから考えると大変分かりやすいです。
先ずは因果関係がある場合の例を挙げてみましょう。

あるところにAさんとBさんが一緒にいました。

そこへCさんからAさんの携帯へメールが届きます。

丁度二人はこれから食事に出かけようとしていたところなので、
AさんはCさんを食事に誘いました。

数分後、Cさんは待ち合わせのお店にやってきました。

この場合、AさんがCさんを誘ったことで、Cさんは二人と合流することが出来ました。

ですから因果関係は成立するのです。

 

では反対に因果関係がない場合の例を挙げてみましょう。

あるお店で一緒に食事をしていたAさんとBさん。

二人の会話は共有の友人であるCさんの話題へと変わっていきました。

するとそこへ、たまたまCさんがやって来ました。

Aさんが呼んだわけでもないのにCさんが現われたこの例では、
因果関係は全く説明できません。

AさんとBさんが話題にCさんを出したから、
Cさんは姿を現したという考え方は強引すぎるでしょう。

この非因果的にも関わらず、
意味のある偶然のように感じる出来事こそが共時性なのです。

 

こういったことは私たちの日常生活でよく起こり得ることです。

皆さんも同じような体験したことがあるのではないでしょうか。

だからこそ、私たちは敢えてそのことを気に留めずに、
流してしまうことが多いと思います。

しかしユングはそんな不思議な偶然にこそ、
深い意味があるのだと説いているのです。

そう考えるのは、
ユング自身特殊な体験をしたからでした。
ユングがある女性に心理療法を施していた時のことです。

その女性は夢の中で、
「黄金色のコガネムシが現われる夢を見た」と、
カミングアウトしたそうです。

そしてユングは女性がそんな夢を見た意味について話をしていた最中、
突然二人がいた部屋の窓に黄金色のコガネムシがぶつかってきたのです。

ですがその時の室内は薄暗く、
走光性のあるコガネムシが窓にぶつかる以前に、
本来向かってくることすら考えづらい状況でした。

走光性とは生物が光の刺激に反応して、
移動する性質のことを言います。

また、この走光性には正と負があります。

正の走光性は光に向かっていく習性が、
反対に負の走光性は光から離れるように移動する習性があり、
コガネムシの場合は正の走光性を持った生き物なのです。

ですから薄暗い部屋に向かって飛んでいくことは
その性質上あまり考えられないことなのです。

そんな不思議な体験を目の当たりにした女性は、
その出来事以来今まで頑なにしがみついていた現実感から、
自身を開放することが出来たそうです。

どんなことでも合理的に捉えようとしてきた彼女が、
自分を変えることが出来たのは、

合理的な思考では到底説明することの出来ない、
不合理な共時性の出来事を体験したからだとユングは考えたのです。

また、ユングはこのような出来事には、
「元型」の力が作用していると考えたのです。

元型とは私たち人間の心の深くにある
普遍のイメージパターンのことを言います。

ユングは心理療法を行ってきた患者の幻覚や妄想をまとめたところ、
正常者の夢や空想、神話・伝説・昔話など、それらと似たものを見たり、
思ったりしていることが分かりました。

ユングは時代や文化を超え、そのようなイメージを感じるのは、
人類共通の無意識というものが存在すると考えたのです。

それが元型です。

簡単に言うならば、
「生き物はその種類を問わず、皆が心の奥深くで繋がっているのではないか」ということです。

そう考えると、話題に出しただけでその人が現われたり、
コガネムシが本来の習性を無視してやってきたりしたことも納得できると、
ユングはそう考えたのです。

ここまでユングについてお話ししましたが、なぜこんな話を私がしたかというと、
易占いを身近なものにしたのはユングの30年間に及ぶ研究があったからなのです。

ユングは共時性を体験できるものの一つとして易占いに興味を抱き、
長い年月をかけてその謎を説明するための研究を行っていたのです。

 

 

 

 

5.サイコロ以外でも占えることを知っていましたか?

他にも易占いには面白い占い方法があります。

その幾つかを簡単に紹介しましょう。

 

1.コイン占い

その名の通り、コインの裏表の組み合わせで占う方法です。

これは擲銭法(てきせんほう)という古くからあるれっきとした易占いの一つです。

特殊なコインが必要、というわけではなく日本円でも構いません。

易占い専用のコインもあり、易占いの本や雑誌の付録としてついていることもあります。

3枚で行う方法と、6枚で行う方法があるので自分に適した方法でやってみてください。

 

2.カード占い

タロットカードというものを御存じでしょうか?

カード占いはそれの易占い版で、「イーチンタロット」と呼ばれています。

「イーチン」は「易」の英語読みで「ICHING」と書きます。

コインと同じで書店で売っている場合もありますし、ネット通販でも簡単に手に入ります。

こちらも一枚引きや三枚引きなど、幾つか方法があります。

ネットでも無料でイーチンタロットが出来るサイトがあるので、興味がある方はやってみてください。

イーチンタロット 無料と調べると出てきます。

 

3.書物占い

西洋でビブリオマンシーという名前で発展したもので、易占いとして使えるものです。

先ず本を準備しましょう。

そして適当にパラパラとページをめくり、「ここだ!」と思ったところで止めましょう。

あとはそのページ内にある文字や数字、もしくは単純にページ数で占うのもいいです。

 

数字の表はこちらのサイトを参照してみて下さい。

http://o-kinsei.com/2015/03/14/%E6%98%93%E5%8D%A0%E3%81%84%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95%EF%BC%88%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%AD3%E5%80%8B%E6%B3%95%EF%BC%89%E3%81%A8%E8%AA%AD%E3%81%BF%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC/

 

 

 

 

6.まとめ

易占いは途中お話しましたが、
未来を精確に予測するためのものではありません。

大雑把に予測する、というのも違うかもしれません。

どちらかというと貴方に寄り添い、
アドバイスをしてくれるもの、という解釈の方が正しいでしょう。

決して悪い状況に置かれていたとしても、諦めないで下さい。

この世にあるのは必然だけ、偶然というものはありません。

人は成長するために試練を課されるものです。

ですから前を向いて、
明るい未来への一歩を踏み出してください。

 

 

 

 


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